こだわり
このエッセイ用として運営しているウェブサイト『Patissier』も、自分の個人サイトも、いくつかの運営コンテンツサイトも、自分で取得したドメインは基本『.cc』ドメインで揃えている。むしろ.ccドメインが空いてなかったら取得しないくらいにはこだわりを持っている。ちなみに、もう十数年にわたって空いてないか定期的にウォッチしている.ccドメインもあって、いつかそのうち空くんじゃないか、取得できるタイミングが来るんじゃないか、って諦めきれずに検索してる。
ドメイン構造
さて、ここでドメイン名の階層構造を解説しましょう。
www.patissier.cc
というドメインがあったとして、
『www』がフォースレベルドメイン、『patissier』がサードレベルドメイン、『cc』がトップレベルドメインと呼ばれている。あれ、セカンドレベルは?という気付きは正しい。『.co.jp』とか『.ac.jp』『.ne.jp』の場合の『co / ac / ne』部分がセカンドレベルドメインにあたる。
トップレベルドメインには、『.com』『.net』『.org』や、最近では『.media』など新しく種類が増えている国や地域などの地理的制限なしに利用できるgTLD(汎用型トップレベルドメイン)と、『jp』『us』のような国や地域などの領域に割り当てられるccTLD(国別トップレベルドメイン)とがあり、国別トップレベルドメインの登録・利用には一般的にその国や地域に所属している必要があるが、なかには世界にオープンにしているものもある。
.cc
前置きが長くなったが『.cc』はオーストラリアの領土であるココス諸島の国別トップレベルドメインであり、世界に対して取得がオープンになっているドメインである。かつて「次なる.com」という宣伝もされてたとか。
とはいえ.ccがココス諸島のccTLDだというのは後から知ったことであって、僕が異常なまでに.ccドメインにこだわっているのには理由があり、今いるペパボと遠からぬ縁がある。僕に.ccへの強烈な憧れを植え付けたのは『プチ・ホームページサービス』という、かつてGMOペパボ(当時のpaperboy&co.)が運営していて2020年1月にサービス終了したホームページ作成サービスだった。プチの生みの親であり自ら牽引役を務める大人気サイト運営者だった『ダカフェ日記』(https://dacafe.cc/)や、写真家の濱田英明さん(https://hideakihamada.com/)、プチやペパボの様々なイラストを手掛けていたhatchさん(https://www.instagram.com/hatch081/)のサイトなど、制作技術が過渡期だった当時のホームページデザインにおいて、プチが持っていた紙・布・木目などのハンドメイド・ステーショナリー感のある可愛らしくて温かい世界観は圧倒的に突き抜けていた。意匠に凝っている一方でサイト構成は写真+テキストのブログ(おそらく当時はまだブログって名称も一般的じゃなくてDiaryとかじゃなかったかなぁ)、自己紹介ページと、非常にミニマルで洗練されていた。
プチのサービスサイトが『petit.cc』であり、プチでサイトを持つときの初期ドメインが『(好き文字列).petit.cc』だった。もう当時はこの『petit.cc』の文字列にどれだけ恋焦がれたものだろうか。この世界の中で自分もコンテンツを持ちたい・仲間に入りたいと夢中になったのが懐かしい。ブックマークフォルダに登録しているプチで作られたサイトを上から順番に訪問して更新されているかどうか見ることが当時の僕のインターネットの1日の始まりだった。
僕にとって、ペパボはロリポップがユーザーとしては一番最初に使ったサービスだったけど、ペパボへの深い愛情を心に打ち込んだのは間違いなくプチだ。
そしていまでも
その後遺症というべきか、今でも自分でサイトをつくったり運営したりする際に取得するドメインは.ccなのは変わらない。もはや儀式であり、解けぬ呪文だ。ちなみに.ccドメイン、取得も更新も費用は安くない。それでも.ccをひとつ所有するたびに、プチやダカフェ日記、hatchさんや濱田英明さんへの憧憬を抱きながら「芯があって、どこか可愛らしくて、人がたくさん集まってくるような」と小さな願いを込めて、サイト制作に取り掛かる。きっと僕はいつかまた.ccドメインを取得する。
